俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「高杉先生、彼女をいじめないでください」
その時、私の背中からかかった影井の声。

「いじめてなんてないよ、ねえ碧先生?」
「ええ」
確かに、いじめられていたわけではない。

「じゃあ何でこんな泣きそうな顔をしているんだ?」
私に近づき詰め寄ってくる影井の表情は、いつもより険しい。

「泣いてなんていないわよ」
と反射的には言ったものの、影井にはわかってしまうのだろうな。

頭がよくて、感もいい影井のことだから、さらに追及してくるだろうと思っていた。
そうなったら何て言おうと考えていたのに、実際そうはならなかった。
それは、高杉先生がとんでもない爆弾を落としたからだった。

「何でもないよ、碧先生の恋愛観について話をしていただけだ」

え?
ギョッとして、私は高杉先生を見た。

「面白そうですね、どんな話ですか?」
当然影井も身を乗り出してきた。
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