俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「簡単に言うと、男女間に純粋な友人関係は成立するのかって話なんだが?」
君はどう思う?と、高杉先生が影井を見ている。

「難しい問題ですが、そういう関係もあるんじゃないですか?」
「じゃあ、恋愛感情抜きで同棲できる?」
「それは・・・」

「高杉先生、何度も言いますが同棲ではなくて同居です。言うなればシェアハウスみたいなものですよ」

何とかこの場を切り抜けたくて必死に言い訳してみたけれど、高杉先生は影井を見つめたまま私の方を見ようともしない。

「と、碧先生は言っているけれど?」
「・・・」

珍しい、影井が黙り込んでしまった。
いつもならどんなことがあっても饒舌に言い返すのに、影井らしくないな。

「もうやめましょうよ。せっかくの飲み会なんですから、もっと楽しく飲まないと。私も優紀たちと話して来ますね」

さすがにいたたまれなくなって、私は席を立った。
このままトイレにでも逃げようと思って歩き出したのに、すぐに後ろから腕をとられ、
「ちょっと来い」
私は影井に連れ出されてしまった。
< 80 / 198 >

この作品をシェア

pagetop