カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
「彰文くんそれ、褒めてるのか毒はいてるのかどっち?」
「どっちでもないけど、応援してる。瑠璃也の彼女は、俺の幼なじみ同然なんで。で、要件は?」
「絶対、瑠璃也に言うよね?」

「来るべきときがくればね。悪いようにはしないよ」
 上手く言いくるめられた気がするけれど、何も悪いことをしているわけでもないので、とりあえず聞いてみることにした。

「日埜静馬って人知ってる?この前大学にいたんだけど」
「やっぱ推し活じゃん」
「違うよ。実家の遠縁の人みたいで。ちょっと実家関係の野暮用があって」
「日埜のことは知ってる、同じ学部だよ。だから残念ながら、瑠璃也も知ってる。よってこっそり浮気は難しい説が有力」

「そういうのじゃないから。顔が好みじゃないし」
 私が言ったとたんに、彰文は神妙な顔をして、顔の前でバツを作る。
「陰口はやめよう、水樹さん。それ結構傷つくから。俺たちは付き合うかどうかはともかく、好かれていると誤解したい生き物なんだよ」
 どうもこれは、以前言った発言をまぜっかえしているらしい。

「でもまあいいや、繋いであげるよ」
 そう言って彰文はORコードを見せてくれる。
「ありがとう」
 スキャンし登録した後で、トークルームで紹介してもらった。Shizumaのアカウントへメッセージを送ってみる。
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