カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 これは浮気になるのかどうか聞きたかった。

 結果、変な質問をしてしまって私自身も瑠璃也も微妙な雰囲気にしてしまう。私の質問の仕方が下手なのも悪い。
 けれど、瑠璃也から「感じなければ浮気じゃない」と言われて、私はそもそも信用されていないんだ、と感じる。

 対等な恋人じゃなくて、瑠璃也からすれば私は保護対象なのかもしれない。だとすれば、瑠璃也にとっては私がどんな行動をしても痛くもかゆくもない。
 そう聞こえた。

 私は触れられること一つでも、とても恐ろしいし、瑠璃也以外に身体を触れられることなんて、考えていなかったのに。
 相手として、静馬の名前を出されたことにショックを受けていた。
 同時に、実際に抱きしめられた、という事実もあり、多少の罪悪感もある。

 瑠璃也と触れ合うたびに、黒いもやが出ないかどうかを気にするのにも疲れていたのだと思う。

 そして、私は瑠璃也の家を出た。
< 186 / 275 >

この作品をシェア

pagetop