カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
婚約と、そして大嫌い
お詫びから約3年。
高校を卒業してサロンに就職するまでの間に、瑠璃也ママが経営している料理教室に呼び出されたり、瑠璃也パパの会社のセレモニーパティーがあるから一緒に出席しろと言われたり。
アミューズメントパークやイベントのチケットがあるからとアチコチに連れ回されたりと瑠璃也との縁は、腐れ縁と化していた。
度々強引に連れ出されることに辟易して、何度瑠璃也と離れようとしたのか、分からない。
たまに見かけると瑠璃也は女の人といたり、女の人に声をかけられたりしていることもあって、私は見かける度に、サッと心が冷え込んでいく。結局、誰でもいいんだ、私じゃなくていいでしょ?と思うからだ。
その間も、私は好きな顔を見つけて声をかけては、相手から誤解を受けて冷めるというのを繰りかえしていた。
危険だと分かっているのに同じ失敗を繰り返しているのは、不安感に突き動かされているからだ。
原因はひとえに、繰り返しやってきて傷をえぐって来る存在にある。
その傷がある限り、恋愛は出来そうにない。
誰かと仲良くなんてなれそうにない、と思う。
それでも、人並みのときめきや刺激は欲しくて、私は推し活を繰りかえす。
こればかりは、ママには絶対に相談できないのだ。