カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
「ここまでくるともう、説明も弁明もめんどくさい」
「じゃあ破棄してよ。両親と顔合わせしたくらいで、私たちは付き合ってないし、別に婚約の証明なんてない。今さら私に構わないで」
「逆に婚約してない証明はあるのかよ」
「別れるって言った」
「言えば別れたことになるのか?納得してなくても」
「じゃあ、そもそも婚約なんてしてない。瑠璃也にとって、私がセフレとかそんなもんだとするなら、婚約じゃなくてただの都合のいい関係。もう話すことない」
「大してしてないのに、セフレ気取りも笑えるけどな」
「でも、したじゃん」
私が言うと、瑠璃也は珍しく口ごもってから、
「あんなのしたのに入らない、バカか。記憶から消しとけよ」
と言う。
私からすれば初めての経験を、消しとけという辺りに、傲慢さが見えてうんざりする。
「バカって言う方がバカなんだよ。瑠璃也にはいっぱい相手いるでしょ。私なんかじゃなくて、もっとスペック釣りあってる人を婚約者にすれば?」
「自分のことをなんかっていう奴は、心底嫌いだな。スペックとか使うのもマジで嫌い」
最近は瑠璃也と顔を合わせるたびに、こうやって喧嘩になる。