カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~

エール

 学校に行けば俺や白那のことが噂をされているのを聞く。普段なら話しかけられれば簡単にあしらってしまうところだが、今は振り切って営業モードになる。

 販売製品の話には丁寧に答えるし、メンズのフェイシャル周りの製品を販売しようと思っているので、SNSからアンケートもお願いします、と声をかけておく。
 最後には「ぜひサロンの方にも来て」とサロンの営業も忘れない。

「紫陽くんて話しかけにくかったけど、話しやすい人だって分かった」とか、「親近感がわいた」とか言ってくれる人が増えた。

 どちらかと言えば、キャラクター的に白那の方が濃いので、白那の話題が上ることも多い。白那の話題で、彼女のことを本心から褒めていると、最初は微笑ましく返してくれていた相手が、徐々に引き気味になるのが分かった。

「のろけというよりも、もはや崇拝」と彰文は言う。

 白那から「好き」の一言をもらってからは、完全無敵になった。白那と一緒に事業を進められたり、一緒に過ごせたりするのは、幸せすぎる。

 しかもそれが白那公認だというのだから、最高だ。
< 222 / 275 >

この作品をシェア

pagetop