カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~

初めての両想いデート

 そんなある日、白那とのデートの約束を取り付ける。

 高校の頃から逃げ腰の白那を強引に誘うデートは何回も経験しているけれど、最初から好意的に受け入れてもらえるデートは、初めてのような気がする。

 白那がタイトなスカートにノースリーブのトップスを合わせた大人っぽい装いをしてきたので、内心ドキッとした。

 手を繋いでいい?と聞いたら、いいよ、と言われる。マジで嬉しい、と伝えたら、
「今さらそんな?」
 と白那は笑って言う。

 けれど、3年間そばにいても手を繋がない、出来る限り距離を取る付き合いをキープしてきたこともあり、手を繋ぐだけでも嬉しいのだ。
 とはいえ、その期間も、白那が離れようとしたり煽ってきたりすると、触りたくなる衝動は抑えられなかったけれど。
「今日は何をするの?」
 と白那は言う。この中でどこがいい?と言ってスマホでイベントの一覧を見せると、白那が写真展を選んだので、そこに行くことにした。

 その後もジュエリーショップに行って、もし結婚指輪選ぶならどれがいい?と聞いてみたり、街歩きをしながらどんな家に住みたい?と聞いたりして、探って様子を見てみる。

 白那の反応は素直で可愛い。
「急に具体的な話になると、混乱するな」と照れた顔で言うのだ。
 話の流れで何気なく「白那って何か欲しいものある?」と聞いてみると、「昔から欲しい物あんまりないんだよね」と言われる。

「じゃあ何かして欲しいことある?」と聞けば、「瑠璃也がそばにいてくれればいいよ」と言われたので、逆に俺の感情が高まってしまって、人目をはばからず抱きしめてしまった。
 ちょっと外では、と白那に困った顔をさせてしまう。
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