カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
「婚姻届もらってくる?」
「瑠璃也が卒業したらにする」
「学生じゃダメなんだ?」

「やっぱり学生さんには、学生生活を楽しんで欲しいし。その時だからこそ経験できることってあると思うし」
「なんか白那、大人ぶってるんだけど」

「私は一応社会人だし」
「なんか危機感があるな。今年上の推しメンが現れたら、ヤバい。大人の余裕で持っていかれる予感」
 俺が言ったら、白那は苦笑する。そして少し悪戯な顔で言うのだった。

「大人の余裕求めてないから大丈夫。瑠璃也の顔と性格が好き」
「身体は?」
「それ言ったら、セクハラされるから嫌」
 と言って白那はパスタを食べ始める。

 美味しい、と言いながら好物を食べている白那は、いつも以上にキラキラと光って見えた。一緒にご飯食べて、それだけで即落された奴もいただろうな、と思う。
 その様子を見ながら、密かにやっぱり指輪は早めに買おうと思ったのだ。

 食後、一つお願いがあるの、と言う導入で、白那はテーブルの上に手紙を出してくる。
 白いシンプルな封筒で、表書きには白那の宛先が書かれていて、送り主は朱那さんの名前になっていた。

「今朝ママからの手紙が届いたんだけど、一人で読むのは少し怖くて。一緒にいてくれる?」
 と言うのだった。

 話の流れで、
「勿論だよ。じゃあ移動しよう」
 しれっと誘導したら、今日は俺持ちにすることに成功した。
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