カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
ママの告白
「瑠璃也くん、いい子じゃん。何で無理なの?」
とママ・水樹朱那はタオルやオイルのセッティングをしつつ、言う。
高い位置でしばった後ろ髪がママのトレードマークだ。
のんびりとした口調とは裏腹に、テキパキと動く。私は、タブレット端末で備品の個数を確認して、発注していた。
ママと私は、他数名のスタッフと一緒にアーユルヴェーダ式のリフレサロンを運営している。
アーユルヴェーダの体系と元にしたカウンセリングや施術をメインに、フーレセラピーやリフレクソロジーなども行っているサロンだ。
「どこが?偉そうだし、押し付けがましいし。顔だけじゃん、いいの」
私が言うと、ママはオイルのビンで頭をコツンと小突いてくる。
「白那のことが好き。それで十分じゃん」
「好きじゃないでしょ。バカモテの環境に面倒くさくなって、たまたまその日そばにいた私に婚約者になれっていっただけ。嫌いだなぁそう言うの」
私はタブレット端末で今日の予約リストに目を通す。今日はリピーターさんの多い日だ。