カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
「白那の言う瑠璃也くんと、私の印象は違うんだけどな」

「ママはほら、傲慢系の男の人と付き合うことが多いから。最初は優しいのに身内感覚が強くなると放置する、えばる系の。採点が甘いんだよ」

 ママは芯から優しい性格のせいで、おごり高ぶった男を許し、育て、さらには新たに製造していく。
 ママを明らかに見下すような態度をしていても、ママが柔和に付き合うのをみていて、私は腸が煮えくり返りそうだったのだ。
 それって、フェアな関係ですか?って。

 一方では、同じことを私も繰りかえしている気がして、ゾッとするのだ。
「白那の男嫌いって私のせいなの?」

「半分は、もう半分は自分の経験」

 私は男の人が好きじゃない。というよりも、自分に近づこうとする男の人が好きじゃないのだ。

 好きだと言ってきたり、付き合おうと言ってきたりする男の人は好きじゃない。
 信用できないし、本気にしたら対価を求められそうで、怖いのだ。

 でも、ビジュアルがよくて、遠い存在の男の人は好きだ。
 私生活に対しては無害だから。

 瑠璃也は好きとも言わないし、付き合おうとも言わなかったけれど、平気で触れてこようとするから嫌いだ。
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