カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~

 ちょうど、行事の方向性について役員同士が揉めたことから、生徒会の会議が長引いていた。

 対象の役員同士はそれぞれ言いたいことを言ったようなので、そろそろ時間の無駄を指摘して、さっさと会議を終わらせようと思っていたところで、テーブルの上のスマホが震える。

 通知にShironaと表示されたとたんに、プレビューが表示されて画面に視線が釘付けになってしまうのだ。

「お詫びはマッサージじゃだめ?」
 とトークルームに初めて放り込まれたメッセージを見て、躍り上がりたい気分になる。

「連絡くれただけで嬉しい、お詫びなんていいから。それよりも今度一緒に」と返信をしようとして、はた、と止まる。

 これって、かなりガッツいていないか?

 そもそもそういうキャラクターで白那に接していないのに、急にキャラ変して引かれないか?
 嬉しさを表現しなければ、何も伝わらない気がする。
 でもどうすればいいんだろう?

 すっかり悩み込んでしまい、会議が長引いていたことなんて忘れてしまう。頭を抱えていたので、俺が不機嫌になっていたのだと、周りは誤解したらしい。

「会長、すみませんくだらない争いしてしまって。一旦持ち帰って考えます。解散しましょう」
 と事業委員会の会長が言って来て、解散となった。
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