カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~

「飲みすぎ」と言って手をおさえたら、

「お願い、やめて。汚れるから」と言われる。

「何言ってんの、どこも汚くないけど」

「シャワーしても、消えないの」
 嫌な予感がした。そして本能的に、白那の向こう側に、忌まわしい存在を感じる。そういう勘だけはいい方だ。

「とりあえず、今日は家に帰って休んだほうがいい」

 白那に手を貸して、自宅の方に誘導しようとすると、
「心配するふりしないで。もう帰って。……れば、帰ってくれるの?」
「は?」
 聞き捨てならない言葉が出て、言葉を失う。白那からそんな言葉は出てくるは思わなかった。

「それでいいなら、するから。もう帰って」

 アルコールも入っているし、白那は多分、正気じゃない。俺のことを認識しているのかどうかも怪しかった。

 白那は俺の足元にしゃがみ込んでくる。
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