カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 蒼真が強引に腿を割ってきたので、痛みに腰が跳ねる。私の反応とは裏腹に、蒼真の目に熱が宿るのが分かった。へえ、と鼻先で笑う。

「相変わらずだな。でも経験済みなら。この際、無理やりってのも悪くないかもな」
 ゾッとして、のしかかっている蒼真の身体を押すけれど、ものともしない。異物感とそして強引な動きで中が引っかかれる痛みがある。

「痛い、やめて」
 引き離したいと思うけれど、足の間に蒼真の身体があるので、足を閉じることが出来ないのだ。こんなもの、したい人の気持ちが分からない。
 早く終われ、と思ったとき――――


「痛いって言ってるけど、無視する意図は?」
 スッと冷たい声が背後から飛んできて、私は首を動かして、声の方を見る。同時に、私の上にいる蒼真もそちらを見た。
 その人物は、朝出かけに見たままのモノトーンコーデのジャケットとパンツスタイルだ。私にとって最高の顔でこちらを見ている。

「瑠璃也」と私は呟く。
 スマホを片手にこちらを見ていた瑠璃也は、
「摘出候補発見」
 と呟く。
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