氷の華とチョコレート
「名刺見せて?」
「う、うん」
やや強引に、私の手から名刺を取り、中野さんは大きく口を開けた。
「やっぱ、Re:社の真間さんじゃん、アタシなら傘100本貸しちゃう!」
はぁ? それはいらないんじゃない? とは、さすがに突っ込まなかったけど……。
テンション高すぎ
「そんなに有名な人なの?」
会社の主要取引先のリストは、読んで勉強しているつもりだったけど? 確かRe:社なんて、いなかったはず。
「Re:社自体は、まだ取引はなくてウチに仕掛けて来てる会社の1つなんだけど、来る営業がみんなイケメン揃いなのよ!」
「……」
通りで、リストにも載ってないから、知らないワケだ……。
「真間さんもいいけど、最初に来た鈴木さんと平井さんはオーラが違うって言うか、秘書課の先輩たちが久々に騒いでたのよ? 知らなかった?」
「……」
多分、知りたくもなかったから、聞いてなかったのかも……。
と言う言葉は、あえて伏せた。
まぁ、あの先輩たちが騒ぐなら、よほどのイイ男達なんだろう。ウチの課の先輩たちは、どの課よりイケメンレーダーが抜群だから。
その後は、中野さんが聞いてもないのに、Re:社のイイ男についての情報を、就業時間まで色々と話してくれた。