氷の華とチョコレート
「あんたは何もしなくていいわ、Re:社の接客をアタシにさせて、後、アタシがコレを渡すことを、秘書課の誰にも言わないで欲しいのよ」
「……」
あ、あんた? 素が出てますよ? 小山内先輩。
睨むような目で、私を見て言う先輩。とても人に頼みごとをしている態度では、ないんだけれど……。その真剣さ、と言うか、他を出し抜いてでも行くと言う行動力に、私は毒気をぬかれた。
恋って、こんなにバイタリティがなきゃ出来ないものなの? みんな、こんな努力をして恋人を作っているの?
「……」
今までもらっていた、名刺一枚一枚にも、こんなドラマがあったとしたら、何だか急に申し訳なくなってしまう。
「氷室さん? 聞いてた?」
えっ?
「は、はい!」
「ヨロシクね、彼今、彼女と別れたばかりでねらい目なのよ」
な、なんでそんな情報まで、知っているんだろう?