双子アイドルは俺様暴走族!
もしかしてトイレをずっと我慢していたのかな?
そう思いながら近くにあったベンチに腰を下ろした。

入場前に買ったパンフレットを取り出して鼻歌交じりにそれを眺める。
すると、パンフレットにスッと人陰が写り、あたしは顔を上げた。

そこには2人のガッチリとした体形の男が2人、ニヤニヤ笑いながらあたしを見下ろしていた。
あのぉ~……この人たち、一体誰でしょうか?

あたしこんなにイカツイお友達、いませんけど……。
そう思いながらも相手が笑顔なので、あたしも笑顔を浮かべることにした。
するとその瞬間。

2人があたしを挟むようにベンチにすわったのだ。
うわぁ……すごい威圧感。
隣に座ると筋肉のムキムキ感とか、2人の図体のでかさがビシビシと伝わってくる。

っていうか、誰ですかこの人たちは。
沈黙が重苦しくて軽く冷や汗が出たとこで、ようやく右隣に座った赤髪の男が口を開いた。
「君可愛いねぇ、今1人?」
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