双子アイドルは俺様暴走族！
ハジメのため。
といえばそうなんだけれど、こうしてウジウジしながら【ツインズ】の事を考えている自分が情けない。

「……課題しなきゃ」
そして机の上に山積みになっている課題の束に視線をやる。

「そうよ！　あたしは学生なんだから勉学第一よ！　【ツインズ】の事は二の次！！」
自分に言い聞かせるようにそう言い、あたしはスマホを投げっぱなしにして椅子に座った。

そして腕まくりをしてシャーペンを持つ。
教科書とノートを駆使して問題を解いていると、どんどん課題にのめり込んで行く。
合っているのか間違っているのかわからないけれど、この夏休み初めての勉強にあたしは夢中になっていた。

【ツインズ】のコンサートのお陰で頭が一度リセットされたのかもしれない。
ハジメとのデートのときもそうだったしね。
そんな事を思いながら、あたしは１時間ほど机に向かっていたのだった。

そして、部屋にノック音が聞こえたのは次の課題に進もうとした時の事だった。
「カヤ、お客さんよ」
ユズちゃんの声だ。
あたしは椅子から立ち上がり、ドアを開けた。
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