双子アイドルは俺様暴走族!
「お客さん?」
「うん。あんたのさえない彼氏」
ユズちゃんはケッと唾をはきだすようにそう言った。
さえない彼氏って……。

ひどい言われようだ。
ハジメは何も悪いことはしていないのに、かわいそうに……。
そう思いながら玄関へと急ぐ。
するとそこにはカバンを片手に持ったハジメが立っていた。

「ハジメ、どうしたの?」
「よぉ、いきなりゴメン。今日一緒に課題やらないかなぁと思ってさ」

そう言い、ハジメはカバンを見せた。
どうやら課題を持ってきたみたいだ。
「本当に!? あたしも今課題してたの。上がって上がって」

今日は早めに起きて着替えをしておいてよかった。
まさかハジメが来てくれるなんて思っていなかったあたしは、一気に気持ちが明るくなった。
「カヤ、ジュースは冷蔵庫にあるから、自分で用意しなさいよ」
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