双子アイドルは俺様暴走族!

サッと後ろを向き、晴を見ないようにする。
すると今度は耳が敏感になってしまい、服を脱ぐ布を音や、カチャチャとベルトを外す音が脳内にまで響く。
あたしの体は水にぬれて冷たいハズなのに熱を帯び、徐々に目の前がクラクラしてくる。

「カヤ、早く脱がないと風邪ひくぞ」
晴がそう言い、あたしの体を後ろから抱きしめた。
あたしはまだ汚れたブラウスを着ているのに、おかまいなしに力がこもる。
「せ、晴先に入ってよ!!」

あたしは晴を見ないようにしんがら、そう言う。

「なに言ってんだよ。付き合い始めてからちっとも恋人らしいことができてねぇのに」
晴が少し拗ねたようにそう言うものだから、あたしは驚いて振り向いてしまった。
晴は腰にタオルを巻いた状態でほぼ全裸だ。

いつものあたしならこの瞬間倒れていたと思うけれど、今日はなんとか我慢した。
「な、なにするつもり?」
「変な意味でとらえんなよ? 俺はだたお前と一緒にいたいだけだ」

晴は真剣な表情でそう言った。
どうやら嘘ではないみたいだ。

「わ、わかったから。むこう向いてて!」
あたしはそう言い、恐る恐る自分のブラウスのボタンを外し始めたのだった。
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