双子アイドルは俺様暴走族!
あたしはその人の顔に目を丸くし、それからなんども目をこすった。
あたしの身間違い……じゃ、ないよね?

あたしの手を握っているイケメン君と全く同じ顔が、そこにあったのだ。
「分身時の術?」
「そんなワケないだろ」
あたしの手を握っている……晴が、そう言ってため息をはき出す。

それを聞いていたソファの方のイケメン君が、ぶっ! と、ふきだして笑った。
「だ、だってそっくり!!」
「双子なんだよ俺たちは。俺は晴。そっちは弟の圭」

「へぁ~……」
あたしはイケメン双子に口をあんぐりと開けて、思考回路を停止させた。
この世界に姿形が全く同じ超絶イケメンがいるなんて、知らなかった……。
「君……カヤちゃんだっけ? 本当に俺たちのこと知らないの?」

圭があたしの名前を馴れ馴れしく読んでそう聞いてくる。
「はぁ……知りませんけど。初対面ですよね?」
小首をかしげてそう答えると、圭はまたブハッ!と笑い始めた。
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