双子アイドルは俺様暴走族!
いくらお怒りといえおかしいでしょう。
しかしそんなことはおかまいなしに、鬼の形相のユズちゃんはバキバキと指を鳴らしながら近づいてくる。
「ユ……ユズちゃん落ち着いて! あたしの話を聞いて!!」

冷静になれば指を鳴らす必要なんてきっとないハズだ。
あぁ、でもなんて説明すればいいんだろう?
昨日ソフトクリームをぶちまけてしまった相手は平野晴で、今日【ツインズ】の2人に会って来ました。

あの2人きっと性格悪いよ?
だからユズちゃんもやめとけば?

……なんて、言えるわけがない!
ジリジリと距離を詰めてくるユズちゃん。

あたしはソファの上に仰向けのまま、這うようにして距離を開ける。
しかし……。
ガシッ!とユズちゃんがあたしの肩を掴んだ。

「ひっ!!」
顔面蒼白。
目の前にいるのはユズちゃんではない、殺人鬼だ!
今まさにユズちゃんは自我を失い、あたしを死に至らしめようとしている!!
ユズちゃんの鉄拳が飛んでくるのが目に入る。
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