アリス人形
「え、ちょ!」

「君もだよぉ、帽子屋ぁ。」

「え、うわ!」

チェシャ猫はふわりと高くジャンプし、三日月ウサギに向かってウインクした。


「1人そこで頭冷やしてなさいねぇ。」

「待て!ユー達!!カムバーック!!」

三日月ウサギの必死な叫びが聞こえていたが、誰も振り返りはしなかった。

──…プツン。

一瞬、アリスの脳内で何かが壊れた気がした。

「って、きゃー!落ちるー!!」

まあ、今はそれどころではなさそうだ。チェシャ猫、アリス、帽子屋の3人は高く高くジャンプをしたものの、その体はすぐに急降下しはじめていた。

「はいはぁい。落ちついてぇ。」

「落ち着けるかぁ!」

のんびりリラックスしているチェシャ猫に帽子屋が怒鳴った。
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