語彙力ゼロなアドレナリン女子は、ダウナーなイケボ男子をおとしたい
「告白された?」
 と聞いたら、翡翠は頷く。

 翡翠が何か言おうとしたのが分かったけれど、急に焦りが生まれたので、
「付き合わないの?」
 と聞いてしまう。
 そしたら、とても驚いた顔をされた。

「お前マジで言ってんの?この流れで?」
 と言うのだ。
「彼女欲しくないの?」と聞く。そしたら、不貞腐れたようにして、
「いらね」
 と言うのだ。

「彼女いないの?」
「いない。もう1年くらいでいなくなるつーのに。何すんの」
「ラブラブいちゃいちゃ」
 と私が言えば、眉根を寄せて、「無駄」と言って車に乗り込んだ。

 エンジンをかけて、車を動かしながら、
「やりまくりたくないんだ」
 と私が口にしたら、隣の翡翠はむせてしまう。

「お前、そればっか。欲求不満かよ」と言われるので、
「やりたくないんだ」
 と繰り返してみる。

「やって、どうすんだよ」
 翡翠の頬が少しだけ赤くなっているのが分かった。意外に初心でこういう話が苦手らしい。
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