語彙力ゼロなアドレナリン女子は、ダウナーなイケボ男子をおとしたい
 衣服を身につけ、私は早々に自宅に送り届けてもらう。期待の目で見ていたマムには申し訳なかった。
「日埜藤馬くんとはどう?仲がいいと聞いているけれど」
 と再三聞かれるのにウンザリして来たので、高校卒業と同時に家出することにした。

 その後、各地のボクシングジム巡りをしていたら殴り合いが出来る相手は、男女問わず出来たけれど、ときめきとは無縁だ。
 それでも、「二十歳になったら結婚させますから」とマムからメールが毎日来ている。

 藤馬は真面目なので周りから推されれば、結婚に流される可能性があるかもしれない。でも、絶対にダメだ。
私には初めて好きな人が出来たのだから。
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