語彙力ゼロなアドレナリン女子は、ダウナーなイケボ男子をおとしたい
 結局別の店でご飯を食べて、ホテルに向かう。
 さっきの人たちは、同じクラスの県外進学組だったらしい。翡翠の病気のことを知って、在学中に既に疎遠になっていたのだという。

 よくあること、と言う翡翠は寂しそうだった。
「まあ、でも私という友達がいるし、元気だして」
 と慰め程度に言ったら、へぇ友達ね、と意味深に返される。

 そしたら、急に疑問が浮かんでくるのだ。

 そもそも私たちの関係ってなんだ?
 私が一方的に求愛している、ストーカー化している関係だ。
 友達とも名乗らせてもらえない可能性が高い。
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