財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。


「あ……あゆりちゃん……」


 彼女はほとんど裸で、腕や肩には傷やあざが無数に広がっていた。それを見て、報告書の内容を思い出す。

 彼女の義母がしていた仕打ちが、どれだけのものか物語っていた。


「……っす、すみません。ごめんなさい」

「なぜ、謝るんだ。もしかして、これが半袖は着たくない理由なのか……?」


 彼女は俯き、ゆっくりと頷くと気を失って倒れてしまった。


  
  ◆葵side◆ 終




 

 
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