僕、先輩とキスがしたいです。
後輩、って意気地なしっていうかー。
もういいやー。別れよー…

‪顔なんてすぐ飽きるしー。
もういいやー。別れよー‪…

って、捨てられてしまう日がすぐそこまで迫ってはいないだろうか!?

そう思うと急激に不安が一気に押し寄せてきたのだ。

***

それから僕はキスに適した時間帯をネットで検索した。

​────キスに適した時間帯​────

それは……、

‪”‬昼休み‪”‬らしい。

朝は、刺激的すぎるからNG。

放課後は、色々疲れててビジュアルが崩れてくる頃合だからNG。だそうだ。

その記事を目にした日以来、昼休みにせっせと先輩の元へ向かう日々が始まったのだ。

でも…っ、でも……!!!

ーーゆうちゃんがかっこよすぎて……キスなんかしたら私…っ、…死んじゃうよ……

あんなこと…!上目遣いで言われたら……

出来ないです、って…。

大きくてパッチリしたおめめ!

昨晩リンスまるまる1本使ったんですか?って聞きたくなるようなそのツゥルンツゥルンの黒髪!

陶器ですか?って聞きたくなるようなスベスベ肌!

ちょこんと乗ったほんのりピンクの可愛い可愛い唇!

あんなすんばらしいお顔で見つめられたら……!

あまりの衝撃で、僕は……っ、

その場から動けなくなってしまうーー!!
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