僕、先輩とキスがしたいです。
***

心肺蘇生の授業を終え、教室に戻る最中。
翔吾が駆け寄ってきた。

「今日は出来たのか?キス」

「出来なかった……」

「なんでだよ、てかまたかよ」

「だって…」

「だって、なんだよ?」

「……………………可愛すぎるんだもん」

「はぁー?」

翔吾はこんな彼女バカの友人()にすっかり呆れ顔だがなんだかんだサポートしてくれる。

「じゃあさ?お家デートとかした?」

「してないけど」

「してみたらいいじゃん!雰囲気変わってキス♡って流れになるかもよ!」

「あぁ!その手があったか!」

「てかキスで止まるか…?」などという翔吾の声を無視して僕は胸に誓った。

「今日ちょっと誘ってみるわ!」

今日こそは……っ、必ず!

「あと、優斗も男なんだからもう少し強引でもいいんじゃねぇの?」

「強引って?」

「男のギャップ、っていうか。
優斗、って完全に可愛い路線だからさ」

「あー、ギャップか!」

確かに……先輩、よく僕の顔見てかわいい、って言うんだよなぁ……。

これを機に僕もかっこいい路線に…!

「分かった!やってみる!」
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