シテくれないわたしの彼氏~モンスターバトル~
 先日の若槻からのメッセージに既読をつけたとたん、若槻から再びメッセージが入る。

「調子にのったかもしれないです」
「ひきましたか?」
「二度と会いたくないとか」

 ネガティブワードがオンパレードだったので、
「ヤバいとは思ったけど、二度と会いたくないまではいかなかった」
 と正直に書いておいた。

「デートしてくれますか?」
 とすぐにグイと距離を縮めてくるので、若槻は例えるならネコ科の肉食動物だろうな、と私は思った。

「デートくらいなら」
 と返してやり取りは終わる。

 とはいっても、デートするする詐欺で引きのばせばいいや、と思っていた。若槻は危険だ。

 キスまでしてしまったら、その先は見え透いている。デートはすべきじゃない、と私は心に誓った。
 けれど、その後、彼の奇妙な提案によりその誓いは破られることになる。
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