金髪くんの一途な愛
名前呼びは特別


「ただいまー」

「おかえり、日菜」


家に帰ってくると、お父さんが出迎えてくれた。


「学校は楽しかったか?」

「うん。友だちもできたし、楽しかったよ」

「そうかそうか」


ニコニコと笑ってるお父さん。

私が幼少の頃は、お父さんの影響で友だちもあんまりいなくて…

私に苦労させたと思って、お父さんはずっと気に病んでた。

だから学校生活を楽しんでる私を見ると安心するんだろう。


「日菜、おかえり」


リビングに行くと、今度はお母さんがおかえりと言ってくれた。


「ただいま」

「なにか楽しいことはあった?」

「お母さんもお父さんとおんなじこと聞く」

「ごめんごめん。
じゃあお父さんとは違う報告して?」

「えー……うーん…。
あ!今日、電車で酔ってたところに、助けてくれた人がいてね」

「あら、良い人ね〜」

「でも、告白もしてないのに、『心に決めた人がいるから好きにならないでね』ってフラれた」


おかしいでしょ?って笑いながら言ったら

お父さんが、手に取ったテレビのリモコンを落とした。


「……お、お父さん?」

「誰だ…俺の(日菜)をフったという不届者は…!」

「お父さん落ち着いて。
私は全然傷付いてもないから大丈夫」


< 12 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop