美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「子供の頃、七歳の時におばあちゃんの家の近所に住んでて、よく遊んだ。ほぼ毎日。
 その年は、たぶん一か月くらい日本に滞在していて、本当によく遊んだ」

「七歳の年だけ? 次の年とかは会わなかったの?」

 沙羅は寂しそうに頷いた。

「毎年、日本へ行ってたわけじゃないから…
 次に行ったのは三年後の十歳の夏。でも、その時はもう龍也君は居なかった。お引越しをしたみたいで」

 翔は目を細めて、納得いかないような顔で沙羅を見つめている。でも、沙羅はそんな意地悪な翔でさえ美しいと思ってしまう。可愛いと美しいが交互に顔を出す翔の表情に、沙羅の心は息つく暇もない。

「それで、急に連絡がきたんだ… 
 十六年も経ってるのに? ま、いいけどさ」

 沙羅は龍也とSNSで再会した。最初は半信半疑だったけど、今現在の写真を送ってもらってすぐに龍也君だと分かった。笑った顔は子供の頃と変わらない。

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