美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


 後部座席の窓から心配そうにこちらを見ている沙羅と目が合った。
 翔は支配人に軽く会釈をして、沙羅の隣に乗り込んだ。沙羅の安心した表情に、翔の中の保護本能が駆り立てられる。そんな中、今度はどういうわけか、沙羅の方からくっついてくる。

「翔、私の側から離れないで…」

 守る側と守られる側。そこには信頼関係が成り立たないといい仕事はできない。でも、信頼関係以上の何かが生まれてしまったら?
 翔は、そっと沙羅の体を自分の方へ引き寄せた。
 何かが生まれてしまっても、いい仕事をする事には変わりない。
 翔は今までにない感情の波に飲まれそうで、必死に自制心を保つしかなかった。
 でも、その熱い何か違う感情によって、守りたい保護意識は数段高まってしまう。相手の男を殺しかねないくらいに…

< 63 / 254 >

この作品をシェア

pagetop