【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~

三人でベッドルーム


 二人に何をされるのかとドキドキだったんだけど、メイドさんが来てお着替えの提案をしてくれた。
 カイくんのママからの指示だったみたい。

 確かに、入学祝いパーティーは制服のほうが良かったけどこのままじゃヨレヨレになっちゃうもんね。
 私は、私に用意された客間で素敵なネグリジェを渡された。

「わぁ……! すごい可愛い!」

 ふわっふわな極上の手触り。
 可愛い猫模様のワンピース。
 このままお出かけしてもようさそうなくらい素敵なパジャマ~~!!

 少し髪も整えてもらって、私はお屋敷の中を歩いて二人の待つ部屋へ行った……。

「ここって……」

「雛菊! めっちゃ可愛い」

「似合ってるね、最高可愛い」

 二人もパジャマに着替えてる!!
 パジャマ姿もかっこいいけど……やっぱりここ、寝室だ~~!!
 大きな天蓋付きのベッド。
 子供の頃もすごく大きいと思ってたけど、今見てもすごく大きい……。
 キングサイズっていうのかな?

「寝室……」 
 
「はは、大丈夫だって……夜はちゃあんと雛菊の部屋に帰すから」

「リラックスしたかったし、スマホの使い方を教えてあげるよ」

「うん!」

 当然、寝室だけど部屋はすっごく広くてそこにソファもテーブルもある。
 あったかいお茶とクッキーも用意されていた。

「なんだかお姫様みたい」

「そりゃ、雛菊はお姫様だから」

「そう、なんでもワガママ言っていいんだよ」

「スマホの使い方、教えてくれるだけでいいよぉ」

 二人に挟まれるような形になって、スマホレクチャーは始まった。

「わぁい、これですぐ連絡できるね」

「あぁ、じゃあこの三人のグループのとこに何か書いて」
 
「うん! えっと……これから、よろしくお願いします……」

 私が打ち込むと、すぐに画面に出た!
 出かける時はキッズケータイ持たされてたけど、やっぱり全然違う! 感激!!

「ふふ、雛菊らしいな」

「ほんと、はは」

「えぇ、どうして笑うの~~」

「お行儀がいい、可愛いってこと。よろしくな」

 カイリくんがスタンプ返してくれた。

「よろしくね、雛菊」

 カイトくんも。
 私もそのスタンプほしいって言ったら、教えてもらえた~。
 
「じゃあさ、そろそろお願いなんだけど……」

「うん?」

 お願い……。
 あ、もしかしてさっきの……?

「痛くないから……させてくれる?」

「えっ!?」

「痛いっていうより、結構……いいらしいよ? お互いにさ」

「えっえっ!?」

 な、なんか言い方……一体なんのこと?

「どういう事……?」

「ちょっとだけ吸わせてほしいんだ」

「俺達に雛菊の美味しい血を……」

「血……!」

 そっか……二人とも吸血鬼だもんね。
 ブラッディ・フィアンセってそういう事なんだよね……。

「痛くないの?」

「うん、首にキスマークができるくらい」

「えっ……首に……? 恥ずかしいかも」

「大丈夫さ、可愛い絆創膏貼ってあげるよ」

 く、首に絆創膏って!
 逆に、みんなにバレバレになっちゃうんじゃ。
 
「貧血になったりしない?」

 それもちょっと心配。
 
「うん、ほんの少しだよ」

「……飲まないと二人ともお腹が空いちゃうの?」

 二人は私を優しく見つめてくる……。
 優しくっていうか、やっぱりなんかドキドキしてくる瞳で。

「食欲はさっきのご飯で満たされてる……魔力っていうか、そういうもん。それに俺達も男だから」

「えっ」

「そうそう、そういう欲も満たしてほしいなーってね。大丈夫。雛菊がイヤなことはしないし、触ったりも我慢する」

「さ、触ったり……」

 やだぁ! 私がなんか変なこと考えてドキドキしちゃうじゃない。

「「で、俺達のお願い聞いてくれる?」」

 二人がお願いっていう顔で私を見る。
 
「……ふ、二人が喜ぶならいい……」

 だって、こんなに大切にしてくれる二人に私もお返ししたい……。

「やっぱ俺らの雛菊ー!」

「優しい雛菊ー!」

 また両側から抱き締められた。
 二人とも肩幅も広いし腕も手も大きいから、二人の間に私がすっぽり挟まってるみたいだよ~。
 昔は私と同じ背だったのに……。
 お、男の子の腕って、逞しくて女の子と全然違う。
 
「ここじゃ狭いなーこんなにソファ小さかったっけな」

「俺達はもう180あるしな……三人でベッドに行くか」

「だな」

「ひゃ~」

 カイリくんにお姫様抱っこされて、ベッドでカイトくんにお姫様抱っこバトンタッチされて優しく寝転されてしまった。
 ふわっふわのベッド。

「あ~幸せだな、腹いっぱいで好きな女の子の隣でベッドの上かぁ」

「まじで。人間界に戻ってきて初日でこんなの幸せすぎるね」

「ふふ、私もだよ」

 やっぱり両側に、カイくん。
 ドキドキもするし、安心もするし、私もとっても幸せだな。

「……あのね、カイくん……カイリくん、カイトくん」

「なに?」

「ベッドで……キスしたの覚えてる?」

 二人は、驚いた顔をしてすごく嬉しそうにする。
 お泊りして、寝る時にキスしたんだよね……。
 ちょっと眠かったけど、あの時は一人……だったよね。

「もっちろん!」

「……あ、あれは……どっち?」

「どっちだと思う? まぁ、その時に二人で話したんだよ」

「え?」

「そ、雛菊のファーストキスと、成長してからのセカンドキス。どっちにする?って」

 二人は本当に仲良しで、俺が俺がっていう風にはならないみたい。
 また、三人で繋がる手。
 そっか二人で、そんな話をしてたんだ。

 あ~でも、ベッドでこんな話しなければよかったかも~~。
 セカンドキスって……。

「じゃあ、まずはキスしよっか」

「する? 雛菊」

 やっぱり、こうなっちゃった!?
 ちょっと思い出したから聞きたくなっただけなんだけど……。
 キスしたいって言っちゃったようなもんだよぉ~。

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