【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~

中庭ほっぺちゅう

 二人はスリッパを履いたら、また手を繋いで歩き出す……。
 でも、1年1組の教室は二階なのに……。
 誰もいない中庭!? に連れて行かれる。

「ふ、二人共……?」

 中庭には桜の花が舞っていて、綺麗。
 入学式でワイワイガヤガヤしてる音が遠くに感じる。
 スリッパでいいのかな? なんて思ってたら二人の顔が私に近づく。
 壁に優しく押されて……ふ、二人壁ドン!?

「ひゃっ……」
 
 二人がニヤッと笑った。

「吸血鬼の王子が、人間の娘と婚約するには誓いが必要なんだ」

「き、吸血鬼……?」

「そう、俺達二人の愛を受け止めてくれるよな? 雛菊」

 怪しく光る……二人の瞳。
 綺麗な桜の花びらと、真逆のような……。
 また犬歯が光る……ううん、これは牙?

「俺のこと……好きだよな? 雛菊」

「好きだよね? 俺のこと。ねぇ雛菊」

 ずっとずっと大好きで想い続けていた男の子が、二人になって!
 めちゃくちゃイケメンになって、右と左の耳元で熱く囁かれた。

「す……好きだけどぉ……!」

 好きだよ……好きだけど……。

「だけど?」

「なに?」

「ふ、二人が吸血鬼で、私は血を吸われる……ってこと!?」

 ブラッディって血まみれって意味でしょ!?
 フィアンセは婚約者!!
 つまり、私は生贄!?
 
「そう……」

「そうだよ」

 やっぱり!?

「でも、優しく甘く……」

「俺達は雛菊だけを愛し尽くすと誓う契約だよ……」

 また左右の耳元で囁かれる。
 右手と左手は、また握られて……頭あっつくなっちゃう。

 ちゅ……っと左右の頬に、キスされた。
 クラっとする。

「そんなに緊張するなよ。また楽しく過ごそうぜ」

「うん。そうだよ大丈夫。絶対に傷つけたりしないから」

「……生贄じゃないの?」

「うん、むしろ俺達が雛菊の愛の奴隷みたいなもん」

「はは、うまいこと言うね。そうだね愛の忠誠を誓うよ、お姫様」

「えぇっ!!」
 
 わ、私の心臓が壊れちゃうよ!!
 二人は嬉しそうに笑って、また私の頬に二回目のキスをした。

 そのまま二人と手を繋いで教室に入る。
 脳みそがクラクラしっぱなし~!
 マコちゃんも近くだったけど、席はカイトくん、私、カイリくん。
 
 これって……本当に偶然?

「ちょっとー雛菊、三人ともめっちゃ注目されてるよ~~」

「う、うん……」

 だよね。こんなイケメン二人を入学式で見かけたらそれだけで大騒ぎなのに……。
 二人にキスされたほっぺたが熱い~~!!
 教室内はざわざわしてたけど、入学式前のチャイムが鳴って先生が入ってきたので静かになった。
 担任の先生、男だ。体育の先生みたいな凛々しい感じ。
 先生がサラッと挨拶して、入学式の流れと終わった後の今後の説明。
 自己紹介と委員会だけ決めて終わりだって……。

「えっと宮本雛菊さん」

「は、はい」

「新入生の代表あいさつ、よろしく頼むな。ちょっと来てくれ。軽い打ち合わせだ」

「はいっ」

 そうなんだよ~新入生の代表あいさつを任されてるの、私。
 みんなが一斉にざわざわしだす。

「やっぱ雛菊はすごいよね~受験学年3位で、挨拶任されたんだって!」

 マコちゃん声が大きいよ~~~!!
 3位なんだから、1位と2位の人が辞退したからだよ~~!!

「マコ、雛菊はやっぱり男にモテてたの?」

「当然!! 街で有名の美少女だもん! 中学なんか大変だったよ~あたしが守ってたようなもんだから!」

「「それは俺達から御礼を言うよ、マコ」」

 二人はハモってマコちゃんに御礼を言ったのが聞こえた。
 もうっ恥ずかしい~~~。

 
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop