君の隣で歌いたい。


「今までの【linK】はずっとMasaki――柾輝くんに支えられていたの。曲のことはもちろん、それこそ動画の作り方も配信の仕方も……全部柾輝くんに教わった。コーラスだって頼めば引き受けてくれてた。なのにもう動画には協力しないって言われちゃった」

 考えれば考えるほど悲しみが波のように押し寄せてきて、私は練習室の隅で膝を抱えて顔を伏せる。

「Masakiさんはリンカにとって……特別な人なんだな」

「……うん」

「心細い?」

 こくりとひとつ頷く。沢里は「そっか」とだけ返し、深く考え込むようにしばらく黙って楽譜を眺めていた。

 そしてなにを思ったか突然どたばたと隅で小さくなる私に駆け寄って、がっしりと両肩に手を乗せてくる。

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