熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
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荷物はたいした量ではなかったので、ダンボールを三つほど引っ越し業者のトラックに運び入れて、それでおしまいとなってしまった。それなのに、成輔は朝からこの部屋にやってきて、梱包など細々した手伝いをし、業者が行ってしまったあとは部屋の掃除を手伝ってくれている。

「清掃業者が入るんじゃないの?」
「それはそうだと思うけど、一応ね」
「うん、わかったよ」

成輔の笑顔はさわやかでいつも通り。私だけがその顔を見てドキドキしている。

(そりゃ好きだと言ったけど)

雑巾で床をごしごし拭きながら思う。

(いきなりあんなこと……)

昨晩は、キスやハグだけじゃ済まなかった。恋人同士が身体を繋げる前にするであろう口には出せないようなことを色々されてしまった。

(恥ずかしくないのかな、成輔は)

ちらっと成輔を見ると、こちらを見ていた彼とばっちり目が合った。なんて間が悪い。

「どうしたの?」
「……なんでもない」
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