熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
今日の私のいでたちは長い髪をアップにして、授乳服のシックなワンピース姿。着物だとさっと授乳ができないので、出産してから着物はまだ一度も着ていない。お宮参りも誕生日の記念撮影もこのワンピースで済ませてしまった。

一歳になったばかりの柊輔にもセパレートの外出着を着せたけれど、寝汗で早々に着替えることになったら困るなあと思う。

「柊輔にとっては初めてのイベント参加だね。大人ばかりの場に連れて行くのって緊張する。私たち家族だけじゃないからさ」
「大丈夫。赤ちゃんは泣くものだし。あとは、俺がなるべく面倒見るから、きみは家族の記念日を楽しんで」
「成輔はいつも優しいなぁ」

私がほうっとため息をつくと、成輔は微笑んで答える。

「だって、きみとシュウちゃんに尽くすのが俺の幸せだからね」

柊輔が生後半年で、私は職場に復帰した。
成輔は常に育児にも家事にも関わり続けてくれている。
お互い仕事でどうしても動けないときは、家族の手も借りて育児をしている。保育園のお迎えが間に合わなくて百合が行ってくれたり、先日柊輔が熱を出したとき、看病してくれたのはお義父さんだった。
みんなで協力して柊輔を育てている。感謝の気持ちでいっぱいだし、柊輔を通じて家族の絆がいっそう強まったようにも感じる。
結婚、出産、家族が増えるというのはすごいことだ。
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