熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「大山田専務、ご無沙汰しております。姉の葵です」
「おお、久しぶりだね。葵さん。大人っぽくなって」

そう言って、私の方は身体を重点的に見回すのだからタチが悪い。そんなにいい身体はしてないわよ。

「関西の方で遊んでいるとは聞いていたけれど、院田流に戻る気になったのかい?」

ムキになって否定するのも馬鹿らしいけれど、遊んでいたというのは聞き捨てならないし、私より先に百合が怒り出しそうなのでつとめて冷静に答える。

「学校です。修士課程までとらせてもらいました」
「女性にそんな学歴いるの?」

大山田専務は笑いをこらえるように言う。とんだハラスメントだ。今どきここまで大っぴらに口にするやついる? 
いや、公でなければいくらでもいる、こういう人は。

「院田流に戻りなよ。百合ちゃんと並んで美人姉妹華道家! ウケるよ。華道ってとっつきづらくてお堅い感じだけど、ふたりが可愛らしくメディアでアピールすれば、業界振興になるんじゃないの?」

ぽんぽん出てくる失礼な発言。おそらくこのおじさんはたいした悪気はないのだ。百合に下心くらいはありそうだけど。
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