私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編





「下山さん………本当にすみません………盗み聞きしたみたいで………」

「全然大丈夫ですよ
 俺じゃ………香音の苦しみ分かってあげられなかったでしょうし………」

「…………ありがとうございます
 やっと………香音さんの本心聞けた気がします」

「……その………玲華さんって………………」

「………………全部僕が悪いんです
 彼女の異変にも気づけなくて………香音さんの心も………苦しめてる」

「…………山中先生のせいじゃないと思いますよ」

「僕のせいですよ…………彼女と香音さんを近づけたのも僕ですから……………」

「……………教えてもらえませんか?
 香音に何があったのか…………」

「……………香音さんの持病はご存じですか?」

「はい……」

「3年前…………香音さんが高校を卒業して……この病院に転院したんです
 前のところは小児専門のところだったので」

「そう……でしたね………」

「転院してすぐの頃はちゃんと来てくれてたんです……一人でも……」

「………………」

「でも少しして…………大学で階段から落ちたみたいで……頭を強く打って……運ばれて来たんです」

「えっ…………」

「それで………シャントに異常がみられて………そのまま手術して………無事に終わって………」

「……良かった………」

< 101 / 430 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop