私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

玲華との最期


〜山中先生目線〜


そっと扉を開け、一つ一つの病室を見て回る



ガラッ


そして最後の病室に入った

「あれ、山中先生?」

「玲華さん………まだ起きてたんですか………」

もう時刻は12時をとっくに過ぎている

「先生こそ
 まだ仕事してたの?」

「えぇ……まぁ……
 もう帰りますけどね」

「そっか…………」

「………君は何してるんですか?
 とっくに就寝時間過ぎてますよね?」

「星見てたの」

「星……ですか?」

彼女の方へ近寄って窓から空を覗いた

「……………見えませんね」

「そうなの……
 家ならもっと綺麗なのにな………星空………見たかったのに………」

「………退院したら……見れますよ」

「……………今見たかった……」

「……頑張って治しましょうね」

「………………………」

「ほら、そろそろ寝ましょう?
 こんなに体も冷えて………いつからここにいたんですか?」

「………香音が寝てから」

「………布団に入って体、温めましょうね
 風邪引いたら大変ですよ」

「……………山中先生がいるから大丈夫だよ」

「全く君は…………ほら、ベッドに戻りますよ」

「…………戻ったら先生も帰っちゃうじゃん」

「君は僕を帰らせないつもりですか?」

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