私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編

学校


次の日

「河本〜
 休ませてくれ〜」

授業が空いた俺は河本のところへ来ていた

河本も香音のおかげか少しずつ俺とも話してくれるようになった

「下山先生、授業はどうしたんですか?」

「この時間はない
 職員室もこの頃ピリピリしてるから逃げてきた」

「そうなんですね」

「あぁ
 河本は最近どうだ?
 勉強はかどってるか?」

「まぁそれなりに」

「こんだけやってそれなりにかよ
 お前、頑張りすぎ
 ちょっと休め」

「……………じゃあこの時間だけ……」

「そうしろ
 てか適度に休みなさい
 最近ちゃんと寝てるのか?」

「…………3時間くらいは寝てますよ」

「っ……………お前もかよ………
 河本は大丈夫だから寝なさい
 寝ないと体が持たなくなるから」

「お前もって…………他にも誰かいたんですか?」

「それがいたんだよ………
 本当、困った奴だよ………アイツは」

「そんな人が…………」

「でも……いい奴なんだよな………それがまた困るというか……………下手に怒れねぇじゃん」

「それって………水無瀬先生…ですか?」

「っ!?
 どうして分かったんだよ!?」

「…………水無瀬先生を見ていた目と同じ目を今してるから……です………」

「…………そんなに分かる…?」

「水無瀬先生の最後の授業、一緒についてきてくれたじゃないですか?」

「あぁ
 急に見てみたいって頼まれたからびっくりしたわ」

「…………その時に水無瀬先生を見つめる眼差しが………とても優しかったです
 今も同じでしたよ
 下山先生は、水無瀬先生のこと好きですよね?」

「…………好きだよ
 教え子としてな」

「…………あくまで恋愛感情ではないと?」

「……………なんだよ、そこまでバレてんのか
 河本は鋭いなー」
< 353 / 399 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop