私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編







「ただいまー」

「……………………」

あれ、返事ない…………

寝てるのかな

靴はあるからいるはずなんだけど……

「香音ー?」

リビングにも香音の姿はなかった

香音の部屋かな………



荷物を置いて香音の部屋に向かった


コンコン

「香音?
 入るよ?」

ガチャ

「かの………ん………
 ……………どうした……?」

香音な部屋に入ると凄かった

思わず言葉を失ってしまうくらい

部屋は荒れていて物が散乱していた

「香音…………どうした?
 これ自分でやったの?」

「………………………」

「何かあった?」

「………………………」

香音は何も話さない

目も合わない

放心状態って感じだな………

心ここにあらずって感じで………

しかも香音の周りにはタバコの箱とカッターが落ちていた

見る限り血は出てないから切ってはないんだろうけど…………

「………………タバコ吸っちゃった……?」

「……………………」

「病院が嫌…?
 それとも………俺が何かしちゃった…?」

「………………………」

何も話さなかったが、香音の目からは一筋の涙が溢れていた

「…………この涙は何……?
 話してくれないと分からないよ………」

そして抱きしめた


それでも………香音は何も話さなかった



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