私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編
「……はい」
「分かったわ
それを聞く前に………山中先生!」
「はい」
「香音ちゃんの診察、よろしくね!」
「もちろんです
さぁ、行きますよ」
この部屋に入った時から分かってはいた
私が来る前に………私の主治医の先生がいるんだもん…!
もう最悪…………これだから来たくなかったのに…………
「香音ちゃん待ってるわね〜」
水無瀬さんもニコニコだし…………
私は山中先生に引きずられるようにして院長室を出た
「………香音さん」
腕を掴まれたまま山中先生に話しかけられた
「………………」
「そんなに僕のこと嫌いですか?」
「…………腕離してください」
「無理です」
「…………………」
「………担当……変えたらちゃんと来てくれますか…?」
「……………行きません」
「…………じゃあどうして今日は来てくれたんですか?」
「………………頼み事があったから」
「ほぉ………香音さんがここに来てまでも頼みたいこと………気になりますね………」
「………………」
「……教えてもらえますか?」