姐さんって、呼ばないで
*
「大丈夫?お水、飲むなら取って来るよ?」
「……だ、大丈夫」
これから一年C組vs三年A組のソフトボールの試合が行われる。
小学四年から中学三年までソフトボールのピッチャーをしていたという朝霞 紀子。
前日の練習でもバンバンストライクを決めていたのだが、久しぶりの試合にかなり緊張した様子。
そんな紀子の背中を優しく摩り、小春は寄り添っていた。
男女共学であるこの学校の球技大会は、どの種目も男女混合。
女子の人数が少ない方にハンデがある仕組み。
「朝霞」
「……はい」
「お前はキャッチャーミットだけ見てればいい。打たれても俺らが守るし、例え点取られたとしても、俺らが十倍にして返してやる」
「そうだよ、紀子ちゃん!後ろは気にせず、ガンガン投げて!」
「小春ちゃん…」
「完投したら、プリン買ってやる」
「えぇ~っ、朝霞だけずる~い」
「っせぇな、二塁打以上打った奴は順次買ってやるから心配すんな」
「マジっすか!!俺、マジで全打席狙います!!」
ファーストで三番の高橋が目を輝かせる。
「いいか~?俺らは負けねぇ。例え、相手が誰であろうと」
「おい」
円陣を組んでいる仁たちに声をかけて来た。
その人物は数日前に河川敷で仁たちを偵察してた男子。
「おままごとるすなら、家に帰ってからしろよ」
「ぁあ゛?」
「まぁ、せいぜい頑張れよ、おチビちゃん達」
一年C組は女子が四人。
それに対し、三年A組は女子一人だ。
しかも、残りの男子全員が明らかに体躯がいい。
「タマ、よこせや」(仁は喧嘩を売った)
表向き、後攻の仁たちは守備位置について、朝霞は投球練習をしなければならない。
「ほれ、くれてやるッ!!」
仁目掛けて思いっきり振りかぶって投げつけて来た球を、軽々と素手でキャッチした仁。
ニヤリと口角を上げた。
「ガキの球かよ」
「大丈夫?お水、飲むなら取って来るよ?」
「……だ、大丈夫」
これから一年C組vs三年A組のソフトボールの試合が行われる。
小学四年から中学三年までソフトボールのピッチャーをしていたという朝霞 紀子。
前日の練習でもバンバンストライクを決めていたのだが、久しぶりの試合にかなり緊張した様子。
そんな紀子の背中を優しく摩り、小春は寄り添っていた。
男女共学であるこの学校の球技大会は、どの種目も男女混合。
女子の人数が少ない方にハンデがある仕組み。
「朝霞」
「……はい」
「お前はキャッチャーミットだけ見てればいい。打たれても俺らが守るし、例え点取られたとしても、俺らが十倍にして返してやる」
「そうだよ、紀子ちゃん!後ろは気にせず、ガンガン投げて!」
「小春ちゃん…」
「完投したら、プリン買ってやる」
「えぇ~っ、朝霞だけずる~い」
「っせぇな、二塁打以上打った奴は順次買ってやるから心配すんな」
「マジっすか!!俺、マジで全打席狙います!!」
ファーストで三番の高橋が目を輝かせる。
「いいか~?俺らは負けねぇ。例え、相手が誰であろうと」
「おい」
円陣を組んでいる仁たちに声をかけて来た。
その人物は数日前に河川敷で仁たちを偵察してた男子。
「おままごとるすなら、家に帰ってからしろよ」
「ぁあ゛?」
「まぁ、せいぜい頑張れよ、おチビちゃん達」
一年C組は女子が四人。
それに対し、三年A組は女子一人だ。
しかも、残りの男子全員が明らかに体躯がいい。
「タマ、よこせや」(仁は喧嘩を売った)
表向き、後攻の仁たちは守備位置について、朝霞は投球練習をしなければならない。
「ほれ、くれてやるッ!!」
仁目掛けて思いっきり振りかぶって投げつけて来た球を、軽々と素手でキャッチした仁。
ニヤリと口角を上げた。
「ガキの球かよ」