君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

そんな中でいいひといないの?って聞かれても困る。彼氏持ちの紗夜とは違って男の子の幼なじみも友達もいないのだから出会いなんて日頃からない。


それに、電車通学でもない私は小説や少女漫画のような出会いは今まで全然なかった。



「それは紗夜は中学の頃からの付き合いだからいるんじゃないの?中学の頃まともに男の子と話せなかった私に言わないでよー……」


「あはは、ごめんごめん」



はぁと思わずため息がこぼれる。


中学の頃は人見知りが激しすぎて友達があまりいなかった私。片手で数えるくらいしか友達はいなかった。


そんな私が当然男の子の友達なんているはずもなく。年齢イコール彼氏いない歴の私は恋愛経験なんてゼロに等しかった。



「てかなんで私に彼氏のこと聞くの?今恋してないって紗夜が1番わかってるのに」



箸でつまんでいた卵焼きを口の中へ放り込みながら聞いてみた。


私の恋愛事情なら紗夜が1番よくわかってるはずなのになんで今更そんなことを聞くのか気になった。
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