君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。


「えー!おめでとう!ついに彼氏になったんだね!」


「紗夜のおかげだよ。ありがとう」



遥陽さんと想いが繋がって、幸せな気持ちを抱えながら始まった月曜日。


私は一刻も早く紗夜に直接遥陽さんとお付き合いをしたことを伝えたくて、朝の早い時間に中庭に来ていた。


ここは人通りがなくて秘密の話をするのにはうってつけな場所。朝も早いからか、予想通り周りには誰もいなかった。



「違うよ!これは初優が頑張った証拠!私はちょっとしたお手伝いをしただけだよ」


「紗夜……」



ベンチに座りながら報告をすると、紗夜は目をうるうるさせながら私に抱きついた。


紗夜にお礼を言ったら私のことをそんなふうに言ってくれた。



「それにしても冷泉さんと初優が付き合うの思ったより早かったな〜」


「へ?」


「あ、いや、こっちの話よ。ほら初優って人見知り激しいじゃない?こんなに早く気持ちを伝えることできたんだなーって思って」
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