完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話

3.朝焼けの光に告げるのは

「これなら舐めさせやすいですよ」
「あっ、あんっ、あ……、え?」

 挿入したまま彼の上に向かい合って座る体勢になると、彼のその言葉に少し違和感を覚える。

“舐めさせ、やすい?”

 一瞬ぽかんとすると下から突き上げられ、ひんっという声と共に思考が散った。


「舐めさせてくださいね?」

 考えさせない代わりにすぐそう言った彼のその言葉にギョッとする。
 つまり舐めて欲しければ自ら彼の口元に胸を近付け、彼の弧を描いているその唇に触れさせろと要求されているのだろう。

“それを自分でするの!?”

 その事実に愕然としていると、突然私の肩口に顔を埋めた結翔さんが震え出す。


「……ちょっと」
「…………ふ」
「今めちゃくちゃ笑ってるでしょう」
「だってそんな、ふふっ、世紀末みたいな顔をするから」
「世紀末みたいな顔って何よ!?」

 こんな状態なのに吹き出した彼に釣られて私もため息混じりに笑いがこみ上げる。

「意地悪」
「好きな子には意地悪したくなるんです」
「ッ! も、もう……っ」
「あ、照れました?」
「ほんっとうに貴方って!」
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