完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
「そんなに大きい契約って、もしかしてこの間の大型コンペのですかぁ?」
「あぁ、そう。そのコンペだよ」
「じゃあシーバスクエアの契約、水澄さんが取ったってことです?」
「まぁ、そうなるかな」
「きゃあっ! すごぉ~い!!」

 無理やり壁側へ追いやられたせいなのか、いつもは苛立ちながらも流せていたのに今日はそんな感情のコントロールが出来ないぐらい苛立った私は、一言くくらい文句を言ってやろうと口を開いたのだが。


「あの、私、水澄さんをお祝いしたいなぁ」
“!?”

 同僚の声が一段高くなったことに唖然とし、声が出なかった。

 
「今日でもいいですしぃ、水澄さんはいつがいいですかぁ?」
 
 自身の髪の毛を指先でくるくると弄りながらあざとく見上げる同僚にぞわりと鳥肌がたつ。
 私から言わせれば、相手の顔を見たいならまずその顎を上げろと言ってやりたいのだが――


“男の人って、こういうあざといくらいの女が好きなのよね”
< 79 / 137 >

この作品をシェア

pagetop