運命の”アイ”ナンバー
進学のために勉強しとけとか、最後なんだから部活に勤しめとかうるさい事を言っていた斉藤の長話をまた聞かなきゃ行けないと思うとホームルーム前から憂鬱になる。

僕はそこまで頭は悪くない方だし無所属だ、どちらも関係ないなと夏休みに突入したはずなのに、いつの間にかそれも終わって今は必死こいて課題を処理中。

それもこれも全部和樹の所為だ。あの2週間で終わらせるつもりだったのに。バイクの免許を取りたいからって暇そうな僕を誘いやがって、これだから唯一の友達は困る。

おかげで数学の課題が終わらなかったじゃないか、バイト代もほぼ無くなったし。

「お前焼けたな〜」

「部活の合宿でな、お前こそ真っ黒じゃん」

陽キャな奴らはいつもうるさいくらい元気で良いことで、陰キャは静かに課題終わらせて読書でもしてますよ。

「おっはよ!」

痛っ!勢いよく背中を叩かれた。なんだ、いじめか?

「あー、和樹か。おはよ」

「なんだよその反応!同じ夜を過ごした仲だろ」

「合宿免許な!」

誤解される様な言い方するな、クラス中の数人がこっち見てるじゃないか…、僕はそっちの癖はないぞ。
僕らの他愛ない挨拶を遮るようにガラガラガラと教室のドアが動いた。


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